チーズマン

ローマの休日のチーズマンのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.5
観てなかったですが、解説とか様々に語られるものがチラチラ入っていたのでなんとかく観た気になっている状態でまあこのままでいいかと思っていましたが、いけませんね。
ちょうどリマスターBlu-rayをゲットしたタイミングでちゃんと鑑賞しました。

めっちゃ良かったです。
さすがにこれはいつまでも残るはずですね。

これぞ元祖ラブコメ映画というかほんと楽しくて、それでいて不意に戦争の爪痕をブワッと観客にも感じさせ、最終的には全部ひっくるめて非常にバランスの取れた色々と混ざった余韻を残してくれます。
グレゴリー・ペッグ演じるジョーが記者会見場から1人去って行く場面のなんとも言葉に出来ない良さがあり、最後にこんな味わい深い余韻を残してくれる作品だとは思いませんでしたね。
寂しさと切なさと、それでいて相反する充実感と多幸感をも感じさせるさりげない笑顔がたまりません。
こんな深い笑顔で去れる男などフィクションというかほとんどファンタジーのようなものかもしれませんが、それでもいざという時は出来ればこうありたいという想いだけは刻むことができたかもしれません。
例えばもしも、この映画の物語が現代日本の設定でジョーが週刊誌の記者だったならと想像したら絶対に絶対に辿り着かないであろう去り際と余韻を残したこの映画、目先の数字や利益はなく“一線”というのを守るカッコ良さはこの映画とともに受け継がれて行くべきかと思いました。

あと当然ながら、オードリー・ヘプバーン作品は色々と観てますがこれはちょっと別格かもしれないぐらいの魅力でした。


昔のローマを観光した気分にもなれて、今海外旅行とかちょっと行けないんで、贅沢な気分を味わえました。
チーズマン

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