ノットステア

ローマの休日のノットステアのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.7
○感想
久しぶりの白黒映画。
『ノッティングヒルの恋人』を観たとき、現代版『ローマの休日』といわれていることを知った。『ローマの休日』を観たことがなかったから、身分の差が大きい恋という意味かな?と思っていた。
身分の差だけでなく記者会見といい、他にも共通するものがあった。
結末やハラハラドキドキは違うものだった。
こういうハラハラドキドキもあるのか。

以下、ネタバレたくさんあります。










グレゴリー・ペック演じるジョー・ブラッドリーが外でうたた寝をしている女性を見つける。何をするのか、タクシーに乗せる。タクシーの運転手が何か悪いことをするんじゃないか。ドキドキ。(めっちゃ治安良い)
うたた寝していた女性を仕方なく家に連れて行く。服を脱がせてよという王女。明らかに睡眠薬でおかしくなってる。どうなるのか。ドキドキ。
家で寝ている女性が王女だと気づく。記者としてお金を稼ごうと思いつく。いつ王女を裏切るのか。ドキドキ。
王女を連れ戻そうとする情報部の男たち。どうなるのか。ドキドキ。
ここまでは恋愛映画じゃないじゃんって思った。勘違いだったのかと。
恋に落ちたことが観客に分かるようになってからもドキドキ。帰すのか帰したくないのか。
撮った写真はどうするのか、記事には何て書くのか。
記者会見に行く宣言をする。どんな顔をするのか。

先が気になってしまう作品。2時間があっという間だった。

それまでは小さな国の王女として、役割を果たしていた少女。
ローマでは世間知らずの何をしても楽しい少女。上品で美しいけど、箸が転んでもおかしい年頃のような姿。
それが大使館に戻ったあとは急に立派な王女になっている。しかも、自分の意志と責任で行動できる大人になっていた。



○特に印象的なシーン
ベッドから長椅子に乱暴に移動させる
バイクに二人乗り
真実の口
記者会見

オードリー・ヘプバーンの表情や動きに魅入っちゃう。
ジェラートを食べてる時の表情
花束を買わされそうになったときや貰ったときの表情
記者会見のときの、アン王女がジョーに気づいたときの表情
記者会見でアン王女を見つめるグレゴリー・ペックの表情も良い。

エディ・アルバート演じるアービング・ラドビッチも最後の最後に好きになっちゃう。それまでもいいキャラクターだったけど。記者会見でさらに。
記者会見での写真撮影では、ライターで写真を撮る。ライターがカメラだったことを見せる。
撮った写真をアン王女に渡す。
タネ明かしを王女にし、約束をし、二人(三人)だけの意思疎通が行われるところが良い。



○印象的なセリフ
台所も食材もない
いつも外食だ

好きなの?

ままならないのが人生さ
ちがうか?

いいえ そのとおり



料理ができなくて残念

学校で習ったの?

料理は得意よ
プロ並みだわ
裁縫やお掃除アイロンがけだってできる
ただ腕を振るう機会がなかったの

じゃあ引っ越さないとな
台所がある部屋に

そうね

私もう行かないと



アーニャ君に話したいことがある

言わないで何も



お別れの言葉が見つからないの

いいさ 言わなくていい



国家間の友情についてどのような展望をお持ちでしょうか?

私は国家間の友情を信じます
人と人との友情を信じているように

僭越ながら
弊社を代表して申し上げます
王女様のご信頼が裏切られることはありません

その言葉を聞きうれしく思います

今回のご訪問で最も印象に残った街は?

どの街もそれぞれに…

どの街もそれぞれに忘れがたく1つを選ぶのは…
ローマ
何といってもローマです
この地での思い出は
生涯私の心に残ることでしょう