toriten45

ローマの休日のtoriten45のレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.1
心ときめく休日が終わり、切なく締めくくられる余韻が心地いい、古き良き時代のロマンチックコメディ。

このジャンルって鮮度があると思っていましたが、この作品は別格かな。切なさと優しさを同居させたロマンス鮮度は保持されたまんま。しかも、なんて洗練されているのでしょう。場の雰囲気やジョークなどもホンワカとさせてくれるし、安心してウキウキできます。

公務で多忙な若きプリンセスは、外遊先のローマにて窮屈な日々から逃れるためにこっそり抜け出してしまう。異なる身分同士による1日だけのアバンジュールが織り成す恋物語です。よくある古典的なテーマだけど、同じテーマで後にも先にも本作を超える作品に出会うことない理由はオードリー・ヘップバーンのせい。

ローマ支局の新聞記者に扮するグレゴリー・ペックに共感し、オードリー・ヘップバーンから醸しだされる天真爛漫だけど気品も兼ね備えた可愛いらしさにやられてしまう作品かな。何回か観たはずなのに今回も鼻血ブーで貧血気味です。

グレゴリー・ペックの“信頼できる感”高めの紳士キャラも、この映画を上品で魅力的なおとぎ話に仕立てている気がします。

プチ反抗期プリンセスご自身の責務を自覚する成長譚として観ることもできますね。

楽しいひとときが過ぎて、地に足がついた現実世界へと戻った2人。記者会見でプリンセスが感極まって本音が出てしまうさりげない一言に胸がグッと掴まれてしまう。…掴まれてしまいました。
toriten45

toriten45