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ローマの休日のEditingTellUsのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
3.8
February15th

Dalton Trumbo脚本作品。
William Wyler監督作品。

王道中の王道。でもいまみても、全然色褪せない映画の美しさがある。

誰が見ても理解できるストーリー。ディズニーのプリンセスの物語にも通じるところがあるだけに、全世代が楽しめる映画だろう。三幕構成がしっかりとしていて、楽しめるところは楽しめるし、ワクワクするところはワクワクできるし、悲しめるところは悲しめる。2時間という映画の限られた時間の中で、とても美しく丁寧にかつ簡潔に描ける脚本が美しすぎる。

ストーリーはいうまでもないですよね。子供でも話せるようなストーリーでありながら、相手はゴシップ記事の記者。そのなんとも言えない関係性と社会の複雑さが、くすぐられたような面白さを作り上げている。純粋そのものの王女と、お金のために働く一般人。このギャップが少しずつ埋まっていき、フェアリーテイルとして正解のゴールに向かっていく。

やっぱ一番好きなシーンは、最後ですよね。(スクーターのシーンっていうと思いました?)だれもが、Joe Bradleyのあの脇に見えるところから、王女が出てきてくるかもしれないと、一瞬は思いますよね。その一瞬を観客全員に思わせた時点で、William Tylerの勝利。あの贅沢なドリープルの時間が、もう最高でしょ。最高で最高で、途中ででてこんのかーいって叫んじゃいましたわ。
この時代の撮影は、貴重な貴重なフィルムって言うのと、モニターもなく、DPの手腕にかかっているフレーミングのせいもあって、複雑なコンポジションは難しかっただろう。しかしそれを補うような、"間"の作り方がとてもしみてくる。中盤のMidpointあたりでは、1.1倍速ぐらいの軽快なテンポでストーリーがいい方向に進んでいくが、最後のクライマックスでは、音楽なしの二人の表情だけのキャッチボール。贅沢な時間の使いたですが、かなりリスキーで効果的な手段だと思います。ムービースターと呼ばれる二人だったからできる芸当なのかもしれませんね。

編集に関しては、Wideショットから、同じ角度でのMediumやCUにカットするのはなんか変な感じがする。最近の映画ではほとんど見られないカット。あと、時間経過=クロスディゾルブってのも、最近ではほとんどないですね。流行りってやつなのかな、これもまた勉強。
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