うかりシネマ

ゴジラ2000 ミレニアムのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ドラマパートは前段を省略して始まるので導入のテンポがよく、それにつられてゴジラの登場も早い。
伊福部曲を使わずともゴジラ映画として成立する音楽が力強く、満を辞して使われる「ゴジラのテーマ」はたまらない。

登場兵器はスーパー寄りでありながら自衛隊のリアリティで世界観を壊さない。
対決フォーマットではあるが、メインが怪獣プロレスではなくUFOというのも面白い。安易に怪獣形態になることなく終盤までUFOのままというのがまた渋い。
対決ものの構成でありながら、ディテールはVSシリーズに近く、情報を学習する宇宙生命体という設定は興味深い。
ただ、『vsモスラ』のような時代錯誤で雑な文明批判は微妙。

特撮は高層ビルのシーンは特にCGが多めで、UFOもCGだし、炎のCGも『GODZILLA』に劣っている。
ゴジラ型でありながら禍々しいオルガは格好いいが、登場のタイミングからして負け戦なのに決定打もなくしぶとすぎる。やられ方は最高だが。

現代的なアングルでの撮り方も多く、VSシリーズと比較しても映画として見やすくなっている。
稜線からの登場だったり、初登場時から命の危機で紙一重だったりと、ゴジラが恐怖の存在として演出されているのもいい。

地味すぎて新シリーズの幕開け感こそないが、SF的なストーリーが好み。