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ゴジラ2000 ミレニアムのnori007のレビュー・感想・評価

ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)
2.9
ゴジラ1954のリブートは幾度となく行われた。
1984、そして2000となるのだがゴジラの造形は最高のスタイリングなのだが内容がしょぼい。

現代の視点から見ると、今や名優となられた阿部寛。そして佐野史郎が出ているというのに基本群像劇なので、それぞれが物語にそれほどかかわらない。

物語は大まかに2つのパートに分けることが出来る。
1、ゴジラ出現と東海村の原発の防衛。
2、UFO出現とオルガ登場。

そのどちらもさして盛り上がりもなくダラダラと続く。
いっそバーサスシリーズにせず対ゴジラの内容のほうが絶対よかっただろう。

UFO出現もなあ。内容はほぼウルトラマンレオの「恐怖の円盤生物シリーズ」である。
ウルトラ怪獣でやるならいいが、ゴジラシリーズはもっとリアリティレベルが高くなくてはいけない。そして対ゴジラも夜の暗い映像で一戦交えるだけである。誰の印象にものこらぬ超マイナーな怪獣に終わった。

エメゴジ後に公開されたにもかかわらず、エメゴジを笑えないぜ。
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2014/07/22 22:48
ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)
3.0
ハリウッドのエメリッヒ版ゴジラ公開後となる本作。
CGも多様するようになり、ミニチュアとCGと実写がうまい具合に融合するようになった。
そして何よりもゴジラの造形が史上最高のカッコよさ。

90式戦車やF15戦闘機などなど、実機で登場し自衛隊VSゴジラの攻防戦なのが好感がもてる。自衛隊の戦闘目的が東海村の原発を守るための陽動作戦なのもいい。もっとも原発事故となるのをもう少し掘り下げていれば後の事故の先見性にもつながったのだけどそこが少し悔やまれるところ。

最後の西新宿でのバトルは、すごく緻密なジオラマでかなりいい。
1984年のゴジラや1991年のゴジラvsキングギドラも新宿高層ビル群が戦場だったけれどそれと見比べると格段の進歩なので見比べて見ることをおすすめする。

しかし、一本の映画としてはいつもの不完全燃焼な作品だ。
ハリウッド版が酷評されたため、ここでこそ本家日本のゴジラの面目躍如となるはずだったんだろうが、はっきりいってハリウッド版の方がストーリーテリングはちゃんとしているし、何よりも映画としてのエンターテイメント性がある。ドラマ部分の話なので予算どうこうではない。

話の軸は、ゴジラを抹殺しようとする自衛隊と、ゴジラを研究する一組織の対立の話なのだけど、誰一人感情移入出来るようなキャラクターは存在せずそれぞれの行動も意味不明。
なおかつ話しのテンポも悪いので、ドラマ部分が毎度のことながらダルい。
さらに最悪なのは、そういった人間ドラマが軸と思いきや後半はいつものバーサスシリーズになってしまうという急展開。そして最終件戦では主人公たちはただ眺めているだけという。

良い面があるのに、ストーリーがそれを殺しちゃった感じ。
毎度のことながら、本当に惜しい。
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