全三話の短編で構成される艶っぽい噺集。
全てに鴈治郎さんが絡み、世にも奇妙なのタモリさんが一つ一つのエピソードに関わり、訳ありの男女の絡まった糸?紐?を解いていくような映画。
一話目、完全に寝落ちしてしまい平日の名画座ミニシアターを埋めるオやッサン達の笑い声で目を覚ます。
二話目、横笛に異様に固執し何故かひたすら無心に横笛を吹く謎の女(もしかしてこれは尺八はしない、男性優位社会に抗う女性の象徴なのかと思ったりしてみて、そうした場合じゃあこれはそういう女性の落とし方みたいなことになってくるのかという風に考え至り、もしそうだったらそれはなかなかハードだなと妄想したりした。そんな訳はないと思われます。)
と姿の見えないコソ泥三人衆に振り回される。
その横笛女が新婚初夜の翌日に「あの人、頼りにならないんです。」みたいなセリフも入ったりで変な不穏感。その笛と盗人と何か関係あるのではというような妙なぎこちなさで進んでいき、最後はなんか深いようなこと言ってそうな感じを醸し出してるようであったりで、まさしく世にも奇妙な物語感。
三話目はこれまた江戸時代の変わった風習を題材にから始まる分かるような分からんようなで、最後鴈治郎氏が亡き妻の墓の前でボヤきながらというサゲの流れが整ってるような具合もあるが三話通して時代設定江戸な事もあるけれど、(もちろん私の妄想部分を挟み込まずにして)そりゃあお客はオやッサンばっかりだわなと女性が観たら気分害すのではなかろうかといった印象をところどころに感じたりもした。
他人に迷惑やら今の時代にそぐわないことのないような素養を持ち合わせた上でそういうのもいとおかしじゃねといった内なる趣きコミュニティの娯楽と捉えられれば…良きなのではないでしょうか。