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Kids Return キッズ・リターンのmylifeのレビュー・感想・評価

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
4.7
無性に北野武監督の映画が観たくなり「キッズ・リターン」を久々に再鑑賞してみた。これでおそらく3回目の鑑賞かな。

実は「ソナチネ」と「BROTHER」…「HANA-BI」あたりを再鑑賞していく内に本作にも再び触れてみたくなった訳である。「その男凶暴につき」もまた観たい。

まずは久石譲の音楽が懐かしくもあり何気に心を揺さぶっていく感じの始まり方やんね。起承転結の結から、やんわり始まるストーリー。今にして思えば、そんな感じで始まったっけ…みたいな。

主人公の二人には金子賢と安藤政信。不良にスポットを当てた、いわゆる青春映画である。そして、そんなマサルとシンジの関係性が全ての作品だとも思える。

それにしても、北野武監督と言えは「ソナチネ」や「アウトレイジ」なんかのバイオレンス色の強い作品ばかりを好んで観ていたので高校生目線なのが何だか逆に新鮮には映る。

とは言え、石橋凌や寺島進なんかのヤクザ絡みのストーリーを織り交ぜてきているのは何とも北野監督らしいと言える。それに、本編には直接関わりのないようなサイドストーリーを放り込んでくるのは共に成長と苦悩が感じられるような感じかな。

ヤクザになってしまったマサル。才能がありボクサーを目指すシンジ。親分とチャンピオンにったら、また会おうと約束するが…共に上り詰めるコトが出来るのか。この辺りの描写も見逃せないトコロ。

授業中、校庭で自転車に2人乗りするシーン。それを二度再現する辺りのセンスは今観ても秀逸なように感じる。“まだ始まっちゃいねぇよ”の台詞は久々に聞けてグサリと刺さってしまったり。

久石譲と言えば真っ先にジブリ作品を思い出す人が多いとは思うが北野監督の作品とも非常に相性が良い。特にエンディングに向けては高まる感情を抑えきれないようにも感じた。
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