「俺たちもう終わっちゃったのかな」
挫折の話。若者のぼんやりした絶望が克明に描かれている。人生ってなかなか上手くいかないものですね。
耳障りの良さげな言葉を使って、堕落した自分と同じところに他者を引き込もうとしてくる林先輩が凄いキャラだった。
ああいうロクでもない先輩とどう付き合っていくかってのが、人生において最も大事なことと言っても過言ではない。
シンジは自分がないし、人を見る目もない。付き合う人さえ違えばもっといい人生を歩めるように思う。
マサルはもう、あそこから人生始めるのは無理じゃねぇかな…。若気の至りと切って捨てられないほどやらかしてるし。
脇道的に語られるタクシーの奴の人生も、平々凡々としているからこその絶望があってなかなかつらい。
タクシー内での大杉漣のやや壊れちゃったリーマン演技が完全に"マジ"なのが怖い。いるよねああいうちょっと危ない人。
チャリンコでふらっと通りがかってターゲットの命を的確に奪っていくヒットマンが印象的。ソナチネの釣りのオッサンやアウトレイジの高橋克典と並ぶ、北野映画の仕事人。かっこいい。