し

Kids Return キッズ・リターンのしのネタバレレビュー・内容・結末

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

若者が見るべき映画だということは確かだと思う。

 10代の時に見た感想と10年後にもう一度見た感想がだいぶ変わってくる作品で、夢を追いかけている人にとっては残酷で渇いた雰囲気のある青春映画である。

シンジとマサルの短所は最初から描かれており夢を見つけた2人の足を最期までひっぱる。主体性がない結果ハヤシと一緒に堕ちてしまったシンジ。生意気で周りも見ず反感を買った結果ヤクザとしての全てを失ったマサル。そんな2人は挫折を味わいあの名シーンが訪れる。

 最後の校庭のシーンは切なさと同時にシンジの成長を感じることができる大好きなシーン。マーちゃんの最後の言葉は決して楽観的で愚かな一言でないと思う。
夢を追いかけ挫折し遠回りをしてようやくスタート地点に立った2人の未来はもっと残酷か。シンジの言ったとおり、もう2人は終わってしまったのか。

淡々と描いた青春群像劇である今作の最後のセリフだからこそ、この言葉に未来への希望を僕は持ってしまったのかもしれない。
し