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千羽鶴のodyssのレビュー・感想・評価

千羽鶴(1953年製作の映画)
3.0
【独身中年男がモテた時代?】

1953年のモノクロ邦画。

舞台は鎌倉。中年にさしかかっている三谷(森雅之)は、茶会で太田夫人(木暮実千代)と知り合う。彼女はかつて三谷の父(故人)の愛人であり、茶会で出会った息子の三谷にも誘いをかけてくる。

他方、三谷は同じ茶会で稲村ゆき子(木村三津子)という若い女性とも知り合う。ふだんから三谷の家に出入りしている中年女性・栗本ちか子(杉村春子)が、三谷とゆき子を結婚させようともくろんでおり、ちか子のつもりとしては見合いだった。

しかし実は栗本夫人もかつては三谷の父の愛人で、その座を太田夫人に奪われたという過去があった・・・。

ひとりの男(森雅之)の周囲を数人の女性が動いているという構図の映画。
モテ男なんだね。現実にはこういう男はそうそういないとは思うけど、この映画はそういう図式で進行する。

森雅之は結婚しろと言われてもなかなか応じないし、中年女性ふたりはもとより、若いゆき子にも、また太田夫人の娘(三谷の父は子連れの未亡人である太田夫人を愛人にしたという設定なので、三谷とは血はつながっていない)である文子(乙羽信子)にも、はっきりした意思表示をしない。

優柔不断な男はモテる、という映画なのかなあ。じゃあ、私も優柔不断に生きてくればもっとモテたのだろうか(笑)・・・なんて他愛のないことを考えてしまう映画。
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