トムヤムくん

クロッシングのトムヤムくんのレビュー・感想・評価

クロッシング(2009年製作の映画)
3.8
ブルックリンの犯罪多発地帯を舞台に、退職間近のベテラン警察官、汚職に手を染める麻薬捜査官、ギャングに忍び込む潜入捜査官の3人を描いた群像劇。

めちゃくちゃ地味で暗い映画だったけど、☆3.3の評価の割には楽しめた。なんせ監督がアントワーン・フークアなので、銃をバンバン撃つシーンは全て見応えある。アクションというアクションじゃないのに、それぞれが銃を手にするタイミングが絶妙ですごいハラハラしたし見入った。

それに正義と悪について考えさせられるテーマも個人的には好きだったし、THE クライムスリラーな雰囲気も最高だった。

「場面の切り替わりが多くて盛り上がりに欠けること」や「群像劇なのに交わりが薄いこと」が評価の低い理由だと知った上で観たので、思ったより盛り上がるし、終盤でしっかり交わるやん!ってなったのが結果オーライだったみたい。

それにリチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルの配役も完璧すぎる。(同じアントワーン・フークア作品の)『トレーニング・デイ』で汚職警官に怯えてたイーサン・ホークが、汚職警官側なのもツボだった。




あとこれは普通にネタバレだけど、ラストのドン・チードルの死亡シーンに関しては、アホ警察が「動くな、手を挙げろ!」の一言でも言ってたら状況が変わっただろ…ってそこだけガックリした。