トムヤムくん

アンドリューNDR114のトムヤムくんのレビュー・感想・評価

アンドリューNDR114(1999年製作の映画)
2.8
フォレスト・ガンプをロボットでやってみた、みたいな映画。人間に憧れを抱くロボットのアンドリューの話。

アンドリューに対する偏見を三世代に渡って描く手法は好きだったけど、それにしても時間の経過が早すぎて誰にも感情移入できないまま終わってしまった。人間もロボットもコロコロ意見が変わるし、恩や義理みたいなものが無さすぎてめっちゃイライラした。

しかも肝心のアンドリューが好きじゃなさすぎて、彼が人間になりたいと思えば思うほど気味悪さを抱いてしまった。だから少しずつ容姿がこちら側に近づいていくにつれて、感動より恐怖が増していった。途中で不気味の谷現象も起きたから余計に。

あと自分は『デトロイト ビカム ヒューマン』でも圧倒的に人間側の意見(いくら感情があったとしてもロボットはロボットなので割とどうでもいい派)だったので、本来のシステムに反して感情の芽生えたロボットに対しては何をしでかすか分からないから否定的な気持ちになってしまう。劇中でも、人間とアンドリューが喧嘩になるシーンは人間側が殺されるんじゃないかってハラハラした。

だからロボットが当たり前のように人間のフリをして日常に潜むのは普通に怖い。そんなロボットに恋する人間も怖い。まだ世界はそこまで追いついてないと思う。

なんとなく差別的発言っぽくなってしまったけど、これは映画の描き方が悪いので映画に文句を言ってほしい。あくまでフィクションの話だからね。まぁ1999年の映画にしてはよく出来ているのかもしれないけれど、個人的にはかなり気味悪くて合わなかった。