ペジオ

ドッグ・ショウ!のペジオのレビュー・感想・評価

ドッグ・ショウ!(2000年製作の映画)
3.9
ドッグショウ文化に関して無知もいいとこなのだが…このお祭りは犬が「主役」って事で間違ってないよね?
それであってれば、あくまで「脇役」でしかない「飼い主」に焦点を合わせた事(「見てください、あの犬の堂々とした表情を!」と言いつつ犬を映さない)はコメディとしての構造にも関係してきそう

モキュメンタリーという構造上インタビューのシーンが多いのだが、インタビューにおいて「主役」とは「話している人間」である
大抵のシーンで一所懸命おかしな返答をしている(それはそれで面白いが)のだが、謂わば「脇役」なそれを聞いている「周りの人間」の居心地の悪そうな表情とかがこの笑いの本質な気がしてきた
彼らの表情が無ければ、普通にドキュメンタリーとしても成立してしまいそうなバランスというか…彼らがいることで飼い主たちの行動がやっぱり「滑稽」なんだと観客は安心できるというか
(その集大成が大会の実況と解説のやりとりなのかしら?)
一所懸命さは端から見れば滑稽に映るという
でも滑稽なくらい一所懸命にならないと「No.1」は掴みとれない

この映画を観る際は「全体」を観て頂きたい
目が行きがちでないリアクションの演技とか細けえし、小ネタも散りばめられております故

決して悪意に満ちた目線というわけでは無くとも、この視点を一つ置くことで日常を笑いにしてしまう「上品さ」のおかげで、気持ちよく笑えました
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