こまだこま

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のこまだこまのレビュー・感想・評価

3.7
最上級にロマンチックな一夜限りの関係。
ひょんなことから列車で隣同士になったというご縁から広がっていき、心の距離を縮めていく。レコード屋の試聴室にて、相手を見つつ目が合いそうになると逸らすという照れくささや初々しさが微笑ましかった。
男女の性差、アメリカ人とフランス人という国民性の違いを含め、全く違う2人がキャッチボールのように心を通わせていく過程が魅力的に映った。
ヒロインであるセリーヌの"もし神がいるとしたら、神は人の心の内部に宿るのではなく、人と人との間に宿るのだと思う"という台詞が印象に残った。彼女は無神論者と言っていたけれども、人と人との関わりについて深く考えていたり、人の死と向き合い恐れていることから、本当は人1倍神的な存在を信じているのではないかとも感じた。
あと、夜のウィーンにて何の気なしに放たれた"朝が来て私たちはカボチャに戻ってしまう。でもせめて今は私にガラスの靴を履かせて"というセリーヌの台詞にときめいた。女の子だなぁ。
それと途中に出てきた、"ミルクセーキ"という語を使って詩を作る青年が素敵だった。
こまだこま

こまだこま