三四郎

私は殺されるの三四郎のレビュー・感想・評価

私は殺される(1948年製作の映画)
4.4
凄い、凄すぎる…実によくできた話だ。
約90分間、手に汗握る展開。そしてまさか最期、ほんとに殺されるとは…。よくこんな筋考えられるな、もうただただ脱帽。
病気で体の弱い妻を演じるバーバラが迫真の演技。ただね、実際、心臓病ではなく精神病だとしてもタバコ吸うっていいのかよ笑
苦しそうに胸に手をやりハァハァ言いよろめきながら歩くあの演技とベッドの上で繰り広げられる恐怖、もうメモすることなどそっちのけで見入ってしまった。時代を象徴する映画だね。今ではもう作ることのできない筋だもの。電話一つで様々な人の思惑が絡むとは…実に、御見事。わがままいっぱいに育ったお嬢様の悲劇。旦那さんも男だからね、飼い慣らされるのは我慢の限界だったんだろう。最後の奥さんとの電話で、彼も良心を取り戻したが、、もう遅いんだな。ベッドを出て窓に向かって叫べと言うのは、警備員がいるからかしら。とにかくベッドを出ろと言うので、私はてっきりベッドの下に爆弾でも仕掛けてあるのかと思った。

娘の写真を部屋中に飾る父親の溺愛ぶりや回想シーンでバーバラの性格を観客に印象付けさせ、その演出効果で、夫が妻を殺してしまうのも納得いくようにしてある。これは誠に舌を巻く巧妙さ。映像で語るからうまいのだ。
三四郎

三四郎