世界の哀しみと理不尽をすべて抱きとめてしまうような瞳。ぼくの知らないところで世界は動いていてこんなちっぽけな僕なんかじゃどうにもならないことを知った。
別れ はこんなにも間近に、河の底の泥のようにじっとりと横たわり、優しく清らかな魂はときたままいごになってしまう。だから僕は、君の分まで泣いたのだと思う。
近頃、世界はとても近くなったけれど、近づけば近づくほどわたしたちの心の距離は離れていってしまうようだから、ゆったりとやわらかく交わる河辺の人びとのその触れあう言葉があたたかくて、それが楽しいことばかりでなかったとしても、なんだかとても嬉しかったんだ。