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泥の河のktyのレビュー・感想・評価

泥の河(1981年製作の映画)
3.3
昭和30年の大阪の川辺での貧しさを子供の視線で描いた作品。

昭和56年の日本映画といえば、『駅STATION』、『セーラー服と機関銃』など普通にカラーの映画が当たり前だったのに、本作のモノトーンは異色だ。

当時高校生だったけど、YMOが盛り上がってた頃で、この映画は周囲でまったく話題にならなかった。

みんなが貧しければ、貧しさに芸術的価値を見いだすことはなかっただろうに、一億総中流と呼ばれて久しいけど、私たちは豊かになったんだなあ。

加賀まりこの妖艶な雰囲気と子供たちの無邪気さが同居するあの船の得体のしれなさは昔のガロの漫画のようだった。
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