mam

泥の河のmamのネタバレレビュー・内容・結末

泥の河(1981年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

河川敷でうどん屋を営む家庭の子のぶちゃんと、対岸のみすぼらしい船で暮らすきっちゃんが仲良くなり、彼の姉も含めお互いの家を行き来するように。うどん屋のお客達が宿船のきっちゃん家族をさげずむのを、大人の世界と子供の世界は違うんだと諫める父の人情味。のぶちゃん両親も二人に優しく接しており、この両親あっての公平さ。なれどきっちゃんの母は郭船としてお客をとる仕事。ある日小蟹に火をつけて遊ぶきっちゃんの悪戯を止めようとした際に偶然見てしまった情事の光景...。
逃げるように出て行き疎遠になっていたが、宿船が移動する日きっちゃんの船を見送るためどこまでもどこまでも追いかけて行くのぶちゃん...。

宿船暮らしのきっちゃんは勿論だけれど、住まいがあるとはいえのぶちゃん家も河川敷にあり決して普通とはいえない。そんな社会の底辺で生きる人々の姿をきめ細やかな視点で描いた人間ドラマ。
子供たちの表情が素晴らしく引き込まれてしまった。情事を見てしまった時ののぶちゃんときっちゃんの切なすぎる表情と、姉に漂う物悲しい雰囲気も...何とも言えない。

それと加賀まりこの妖艶さ...。

2022-114
mam

mam