李

カイロの紫のバラの李のレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
3.8
映画内の憧れの人が目の前に。ロマンチックを詰め合わせた宝箱みたいなお話だった。映画は夢と現実の狭間を泳がしてくれるすてきな存在。一時の安らぎとときめきもくれる。わたし自身、結構な頻度で映画を現実逃避に使ってるんだけど、セシリアも、映画を束の間の休息として使ってる。画面を見つめるキラキラしたその目は、全映画好きの姿を投影しているかのよう。でも、虚構ってことは絶対に変わることのない事実で、観客席からは手が届ききらない。それが、とても切なかった。自分に都合がよすぎる夢をみてる最中に、あ、夢だったのか、って目覚めた時の気持ちになる。すてきなお話なのは紛れもない事実なんだけど、そのどっちもをくれる映画のずるさに、妙に心がもぞもぞした。まあとりあえず、2人のやりとりはどれもかわいくてすき!スクリーンの中に入るシーンなんて、わくわく止まらん。他のキャラクターが、画面内から文句たらたら言ってるのも、シュールでかわいかった。わたしなら、ムーランルージュのユアンか、ロミジュリのレオ様に会いたい〜 GotGのクリプラも捨て難いなぁ(強欲) まとめ:映画はやっぱり、叶う恋より叶わない恋の方が美しく見える。ラストシーンが素晴らしかった。映画って偉大だなぁ。
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