このレビューはネタバレを含みます
好きのど真ん中の映画!!
実在の天才ピアニストが題材になってるとは知らなかった!!
冒頭のデイヴィッドが話す横顔だけの映像構成と言い、魅力が多い映画だった。
デイヴィッドがめちゃくちゃに魅力的なんだけど、彼を取り囲む人々がまた素敵で、、、
あんな父親で観ているこっちが苦しくなるくらいだけど、あんな父親じゃなかったらデイヴィッドはピアニストにはならなかったかもしれないわけで。
父親はユダヤ人迫害で両親を収容所で失っており、そのせいか「家族」に対して異常な執着を持つ。
強い愛もある一方、自らコントロールできないと尋常でない怒りが爆発する。家族が手元から離れていくことをこの世で最も恐ろしいことかのように捉えている。
彼の体験を思えばそんなふうになってしまうのもわからなくはない…
父親もまた、精神疾患といえるのかもしれないなあ。
雨の音と、拍手の音が、非常に印象的に描かれている。
優勝を課されるデイヴィッドに襲いかかる拍手の嵐の音と、選択の権利と未来を奪われた夜に降り注ぐ雨の音。
最後のコンサートでも大雨のような拍手喝采。
でもこの雨の音は彼の苦しみを洗い流すようだった。
笑って、嬉しそうに拍手の雨を浴びるデイヴィッドがかわいくて、涙がぼろぼろ出た。
素敵な人だなあ。
「デイヴィッドとギリアン」も絶対観よう!!