まりりんクイン

ダークナイト ライジングのまりりんクインのレビュー・感想・評価

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
2.9
ブロンソンばりのトムハーディーは最高。アンハサウェイのレザーケツも最高。皆勤賞のスケアクロウさんも最高。
ジョセフゴードンレヴィットはもう出てるだけで最高。
ゴードン警部がバットマンの正体に気づくシーンには号泣。ヒーローとは何たるかが現れた本当に素晴らしい場面です。ここだけとるならアメコミ映画史にのこる屈指の名シーンだと思います。
ゴードンもまた、ゴッサムを守るヒーローですね。

観てる最中の満足感は中々のもの。初見時には劇場での体感はダークナイトに負けてないと感じた程でした。

なのになんなんだこの残尿感は…
東映特撮のライダー集合映画のような、映画の盛り上がりと見終わったあとのテンションの差…

映画として気持ちいい展開や場面を、無数の脚本のアラや突っ込みどころがちょっとずつ邪魔して気持ちよくイカせてくれません…
ノーランの意地悪…

最大の萎えポイントはやはりちゃっかり生きてたブルースウェインですかね…
先述のゴードン警部との素晴らしいやりとりに感動すればするほど、なんだか裏切られた気分になってしまいます。
「子供も大好きなみんなのヒーローバットマンを死なす訳にはいかないしね」みたいな、昔の映画のヘイズコードのような違和感を感じてしまって見返すたびに本当にしっくりこないです。
っていうかどう考えても映画的にも内容的にも死んでた方が良いですよね!?

傑作ダークナイトですら感じた、
大人向けな内容を目指しているにも関わらず、表現はファミリー向けにしようという矛盾した目論見が、本作はより肥大化してしまったように思います。

あんなに素敵だったベインをクソブs…ストレートに美人とは言い難いマリオンコティアールのヒモ扱いなオチも超ガッカリです。
ノーラン監督の女性の趣味は独特ですよね。

三部作物って大抵は、
傑作な1、まあまあな2、3作の締めとしてなら許せる3

といった感じだと思うんですが、本シリーズは、

全く記憶にない1、傑作の2、1が記憶にないので三作の締めとしても微妙な3と、

結果的にはやはりダークナイトだけがノーラン監督の作家性とバットマン(というかジョーカー)という題材が奇跡的なバランスでマッチングしてたのかな、という印象でした。
本当にどんな内容だったか全く思い出せない一作目と違って、本作は場面場面では本当にアガるとこもあって素晴らしかったのは、やはりダークナイト、インセプションと経て、ノーラン監督のビッグバジェット映画の見せ方が確実にうまくなっているからだと思いました。
その分見返せば見返す程、アガらない部分にどんどん目がいっちゃうんですよね…

ちなみに、映画評論家の町山智浩さんが、自身のPodcast内で本作の感想を述べているのですが、そのなかで「俺の考えた面白いダークナイトライジング」を語ってます。
これが本編だと脳内変換して見直したくなるくらい最高にアガるので、ライジングでライジング出来なかった方は是非聞いてみてください。
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