えいがドゥロヴァウ

プライマーのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

プライマー(2004年製作の映画)
4.3
前々から観たかった作品ですがTSUTAYAで発見!

まず何より本作の低予算感にグッときます
ガレージ、倉庫という密室空間
画素の荒いザラついた映像
シンプルで必要最低限な音楽
鑑賞の感覚としてはダーレン・アロノフスキーの『π』のようでした
(ただし『π』はドラムンベースで本作はアンビエント)
「アイデアを具現化する」ということだけに執着し
監督がやりたいことを追求するだけしたために
観客まで振り落としてしまったような
その姿勢にむしろ潔さを感じます
そしてオタクが密室でシコシコやってる感
本作は2人でシコシコ
2人は共犯的な関係でありながら
あくまでも銘々の思惑に従って行動しているのが見て取れます
何度もタイムリープして過去に戻る間に
どのタイミングで(そしてそれが何回タイムリープした時点で)どっちが裏切る(裏切った)のかと悶々
この猜疑心が作品に独特なドライヴ感を与えています

根気良く謎解きをする時間がなかったので
鑑賞後すぐにネットで解説を見てしまいました

タイムリープものとして『プリデスティネーション』も良く出来ていると感じましたが
本作に比べたら幾分かオカルトチックだなと思えました(そのアヤしさも含めての魅力なのかもしれません)

よし、今からもう一回だけ観よう