柏エシディシ

サッド ヴァケイションの柏エシディシのレビュー・感想・評価

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)
2.0
青山真治追悼上映@キネマ旬報シアター
初見。
北九州サーガの3作目。
Helpless、ユリイカの人物たちも再登場。
このタイミングでの鑑賞で批判するのは難しいのだが……うーん、端的にお話が好きじゃなかった。
ケンジ(浅野忠信)のその後の物語として、彼の選択や話の落とし前のつけ方に個人的には納得が出来ないというか。
中国人の子供との話の顛末の中途半端さや、ユリちゃんの扱いの居心地の悪さ。Helplessで余白のあった部分を埋めてしまったことによって矮小化してしまった印象も全体にある。
あと、秋彦の「頑張ってください」にしても、ユリイカからの彼の成長を表現したいシーンなんだろうけど、その過程が劇中で全く描かれないため、どこか空虚というか白白しいものに感じられてしまった。

ジャンルが全然違うけれどスターウォーズとか昨今のAftermathモノも観るにつけ、ひとつの完成されてる物語に、「その後の」話を作る事って、本当に難しいし、必要なのだろうか…と思ってしまうことが最近多い。本作はだいぶ前の作品だけれど、前2作共にリアルタイムで観ていたらどんな印象だったのだろうか…

鑑賞前は、前2作と対照的に、女性側の視点が強くなる作品なのかと思ったけれど、実際は、青山監督から見た女性、というより、男にとっての女の判らなさ、底の知れなさ、みたいなものがそのまま刻印されている作品になっている印象だった。女性は本作をどう観るんだろう?
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