櫻イミト

脳内ニューヨークの櫻イミトのレビュー・感想・評価

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)
3.0
「エターナル・サンシャイン」(2004)などの脚本を手掛けたチャーリー・カウフマンの初監督作。

ニューヨークに住む小劇場の演出家コタード(フィリップ・シーモア・ホフマン)は私生活がうまくいかず人生に嫌気がさしていた。そんなある日、大きな賞を受賞して大金と名誉を手に入れる。彼はその全てを注ぎ込み、ニューヨークの中にニューヨークのセットを作り自分の人生を再現する舞台を試みる。リハーサルは続けられ20年。。。

観ているうちに現実と舞台の境目がややこしくなっていく。「インセプション」(2010)の夢設定を、演劇設定でやっているような感覚。加えて、主人公が神経症的で冒頭から現実か妄想かわからない描写があるのでずっと不安定な気分で鑑賞した。試みは面白く実存主義的な内容に惹かれないこともないのだが、悲観的な主人公が最後まで変化なく悲観的なので、なかなか憂鬱な気分になる映画だった。
櫻イミト

櫻イミト