黒猫道

脳内ニューヨークの黒猫道のレビュー・感想・評価

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)
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2014/12/30
マトリョーシカかよ!ってくらい何層ものメタ構造になっていて、脳の処理が追いつかなかった…
ただでさえ構造難しいのに、登場人物多くて顔と名前が一致しなかったよ…
こころを病んだ演出家の男が現実から逃げるために、現実を消化するために、役者たちの芝居によるユートピアを創りあげるお話なわけだけど、こんな短い説明じゃ言い尽くせないくらい濃い120分。
あらゆる思想や狂気が詰まってる感じがして、一回見ただけじゃ真意は掴めないんだけど、一応「この世は全て芝居だ!」っていうシェイクスピアやカラックスの『ホーリー・モーターズ』的な思想を、カウフマンお得意の表現でやりたかったのかな。
たしかにメタ的な表現は鑑賞者の存在にまで問いを発し、映画の中に巻き込めるからね。
あとこの映画、様々な死がそこかしこに描かれ暗示されていて、もう一度観るときは、そういうとこからも色々汲み取ってみたい。


みんなの評価は低いけど、正直ぼくはこの映画のラストは映画史に刻まれるべき素晴らしいシーンだったと思っている。
ただ、それにしてもシーモア・ホフマンは言わずもがな、チャーリーカウフマンの精神も大丈夫なんだろうか…
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