HAYATO

荒野の七人のHAYATOのレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
4.1
2024年191本目
霊柩車の乗り手ならここにいるぞ
日本が世界に誇る黒澤明監督の傑作『七人の侍』を、西部開拓時代のメキシコに舞台を移してリメイク!
メキシコの寒村イスカトランの住民は、毎年収穫期になると野盗に襲われ、疲弊し切っていた。ついに戦うことを誓った村人のヒラリオは、ひょんなことから凄腕ガンマンのクリスと出会う。ヒラリオはクリスに助けを請い、承諾したクリスは6人の協力者を集める。そうして集った“マグニフィセント”な7人は、住民を指揮して戦いの準備を整え、野盗たちを迎え撃つ。
監督は『大脱走』のジョン・スタージェス。クリス役を『王様と私』のユル・ブリンナーが務め、『タワーリング・インフェルノ』のスティーブ・マックイーン、『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』のイーライ・ウォラック、『ウエスタン』のチャールズ・ブロンソン、『シャレード』のジェームズ・コバーン、『タワーリング・インフェルノ』のロバート・ヴォーン、『ライフ・イズ・ビューティフル』のホルスト・ブッフホルツらが共演した。
アメリカのプロデューサーであるウォルター・ミリッシュが東宝の権利許諾を得たことで始動した企画。東宝はリメイク権を売るに当たって、『七人の侍』の脚本を執筆した原作者たち(黒澤明、橋本忍、小国英雄)の3人に、何の断りも入れなかったというのだから驚きだ。
本作といえばやっぱりエルマー・バーンスタインが書き上げたテーマ曲でしょ!この曲が聞きたくて見たといっても過言ではない。アメリカの雄大な自然をイメージさせる本作のテーマ曲は何度聞いても格別の響き。
長い時間をかけて深淵なテーマにも踏み込んだ『七人の侍』に比べると、本作はストレートに勧善懲悪な物語にまとめられている。作品自体の長さも2時間弱になっているが、『七人の侍』から受け継いだ「野盗に苦しむ農民を救うために、プロフェッショナルが集結して力を尽くす」というプロットの魅力は損なっていない。
7人のキャラクターの渋さ、男らしさに惚れ惚れ。豪華キャストのそれぞれの個性が際立っていて、スティーブ・マックイーン、ユル・ブリンナー、チャールズ・ブロンソンの3人は特にカッコよくてマグニフィセントだった。
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