けーはち

スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還のけーはちのレビュー・感想・評価

4.1
『スター・ウォーズ』旧3部作完結編EP6。「起承転結」でいう「転」まではEP5で終わったので、本作は「結」ありきで、合間を小ネタで繋いだ感じ。

★シリーズ総決算のためルークも仲間たちも無双状態。小エピソードを消化しつつ、ベイダーや皇帝との決戦までトントンとテンポ良く見せてくれる。

★序盤は板チョコ化ハン・ソロ奪還。ジャバ・ザ・ハットの化物悪趣味宮殿へようこそ。ルークが武器を持たずにノコノコ出てきて捕まってしまう。しかし「命が惜しければ離せ」と余裕綽々の構えである。一体どうなってしまうのか⁉︎と思わせ、R2の頭からスポーンとライトセイバーが出現、敵をバッタバッタと斬り伏せてからの、レイア姫がフォースを使ったとしか思えぬ膂力を見せつけ怪物を絞め殺す展開は痛快。交渉のため非武装で現れ、いざとなれば武力行使も辞さず。もはや未熟なルークではないぞと見せつける。

★中盤は師との決別〜最終決戦へ赴くまで。戦局を一気に変えるためデス・スターを再建する帝国に再びこれを破壊せんと詰め寄る反乱軍。ここで登場するのはスター・ウォーズ史上最萌種族イウォーク。彼らは『食人族』だ。ここで金ピカの神様として祀られる3POと丸焼きにされそうになるハン・ソロが最高に面白い。結果的に彼らと和解することにより、帝国の想定以上の戦力を発揮することができ戦局を覆すことができた。このドタバタ劇は人種の坩堝たるアメリカひいては国際社会の勝利の象徴である(元々、反乱軍は人種・種族バラバラ、帝国軍は白人ばかりで統一している)。

★終盤は、皇帝の悪の誘惑に晒されながらの父子対決。妹の話を持ち出され激昂するルークが印象的。怒りに任せて戦うことを選べば暗黒面に身を落とす。かつてベイダーがルークにそうしたのと同じように、ルークが相手の腕を切り落とした瞬間、ふと父親が「同じ」痛みを感じている事実に思い至る。その後の展開は掛け値なしに感動。

★最後は、やはりイウォークの集落での大団円。集合写真をパチリ、でエンド・クレジット。納得、堂々の完結であった。ただ気がかりなのは『食人族』を国際社会の仲間に入れたところで食人習慣はどうするんだろうかという点か。やっぱクジラやイルカを食ってる国なんかと同じ目に遭うだろうなあ……。