SANKOU

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャーのSANKOUのレビュー・感想・評価

3.2
第二次世界大戦中の1942年。貧相で病弱な体質ゆえに何度も軍への入隊を却下されたスティーヴ。
彼が入隊を希望したのは敵を殺したいからではない。少しでも早く戦争を終わらせたかったからだ。
そのためには自分の命を犠牲にしても構わないと彼は強い信念を持って軍に志願した。
弱くても正しい心と信念があればヒーローになれる。
今までのヒーローものとは違う展開を期待したのだが、力を与えられたスティーヴがゴリゴリのマッチョになって登場したのは何だか裏切られた気持ちになった。
結局は力が全てなのかと。
かなりアメリカ正義の色が強い作品で、エンターテイメントとしては楽しめたが、『アイアンマン』や『マイティソー』に比べると偏りを感じる内容だと思った。
ナチスは相変わらず全世界共通の敵なのだなと。
「弱い者ほど力の価値を知っている」とアースキン博士はスーパーソルジャー計画の被験者にスティーヴを選んだ理由を語っているが、弱い者ほど虐げられた恨みが強いと力を手にした途端に暴走する可能性もあるので、必ずしもその指摘は正しくないと思った。
ただスティーヴは身体の弱さはあるものの、正しい道を選ぼうとする善の心があった。
ヒーローに大切なのはその心なのだと思う。
単純に善と悪の二元論だけで物事を捉えるのは愚かだとも感じたが。
レッドスカルのあからさまなヴィランっぷりには笑ってしまった。
戦意高揚映画のような不気味さを感じてしまう部分もあったが、アメリカ人の心には響くものがあるのだろう。
次回作『アヴェンジャーズ』へのお膳立てもばっちりだった。
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