Maoryu002

風雲のチャイナのMaoryu002のレビュー・感想・評価

風雲のチャイナ(1933年製作の映画)
3.4
1920年代、内戦で混乱する中国にやってきたメーガン(バーバラ・スタンウィック)は暴徒に襲われ、イェン将軍(ニルス・アスター)に助けられる。メーガンは冷酷に人々を制圧するイェンに反発するが、次第に彼に惹かれていく。

フランク・キャプラ監督にしては珍しく、コミカルさが全くない悲恋ドラマ。

メーガンは理想を掲げてアメリカから来るんだけど、次第に自分の考えの軽さと、現実の中国を生きることの難しさに気付いていく。
キャプラ作品では常連のバーバラ・スタンウィックがとてもいい。気の強さは他の作品と同じだけど、短い時間の中で女心の変化を上手く表現してた。
やっぱり「教授と美女」の方が好きだけど、こういう悲恋も悪くない。

そしてメーガンの変化以上に、すべてを捨てても愛に生きようとするイェン将軍の変貌が、このストーリーの肝だろう。
ラストの切ないこと!

そもそも中国人に対して上から目線なのは気になるが、なかなか重く渋いロマンスだった。
近い時代を描いた「上海特急」と裏表の印象だ。

「或る夜の出来事」にも金持ちの父親役で出演しているウォルター・コノリーが、中国を食い物にする金の亡者のように見えて、実は人情深さを見せる商人を好演。他にも日本人女優トシア・モリの怪しげな演技にも注目だ。
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