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オーケストラ・リハーサルのGTのレビュー・感想・評価

オーケストラ・リハーサル(1978年製作の映画)
4.3
オーケストラのリハーサルを映したドキュメンタリータッチの映画。だが、そこはフェリーニ監督。ただオーケストラの様子を映した映画ではない。
他のフェリーニの映画でもそうだが、登場人物達が皆おかしい。リハーサル中にも関わらずサッカーの試合をラジオで聴いてたり、椅子のことなど下らないことで殴り合いの喧嘩をしたり。楽器ごとの個人のインタヴューもあるのだが、何だがよく分からないことをベラベラと早口でまくし立てる。極め付きは最後のシーンで、指揮者と喧嘩した楽団員が指揮者辞めろのシュプレヒコールを行う。その様子はまさに暴動と言っていい凄まじさで、他のレビューでもある通り労働者革命をオーケストラで例えているのだろうと推測される。それでも最後、鉄球が壁を破壊するシーンは謎。
オーケストラがテーマとなっている通り、音楽は凄く良い。剽軽だがどこか毒のある、ショスタコーヴィチ風の音楽は、おかしなこの映画によく合っている。シュプレヒコール中に叩かれるティンパニやら下品に吹き鳴らされるトランペットも地味に好き。
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