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冷たい雨に撃て、約束の銃弾をのmylifeのレビュー・感想・評価

4.3
ジョニー・トー監督のまだ見ぬ作品を観ようの巻。次は「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」を初鑑賞してみた。

本作はどんな作品なのかな。そろそろ、ノワールっぽいのが見たいんやけど…ってのが本音。誰が出ているのすら知らないがタイトルの響きだけで楽しんでみたい。

何これ、フランス映画との合作なのか。ジョニー・トーの作品に外国人が登場してくるのに、まず驚かされる。ジョニー・アリディと言うヒトについて詳しくは知らなかったけど新鮮過ぎる展開に引き込まれる。

しかも、アンソニー・ウォンおるやん。これは嬉し過ぎる。相変わらず渋いのだ。加えて、ラム・カートンとラム・シューとの仲間が最高。そこに、サイモン・ヤムやマギー・シュウもおるし、ジョニー・トー常連俳優ばかりなのは嬉しい限りではある。

それにしても、ラム・カートンは「スリ」と同じくらい個性的で良かった。ちなみに、ここんとこ観てきた香港映画のほとんどにラム・シューがいてる。好みの作品には必ずいる名脇役なのだ。

さてと、本作は注文通りのノワールで嬉しい。クライム具合もシンプルで分かりやすいし、テンション上がりまくりでもあったのだ。

ど真ん中にアンソニー・ウォンがいてるから安定感ありまくり。ノワールの香りが少なからず立ち込めてくる感じでもある。

物語は簡単に言ってしまえば復讐劇。だが、復讐×記憶障害と言う組み合わせは何だろう。そんなトコロを絡めてくるのか…なんて感じてしまうが、ジョニー・トーとワイ・カーファイの二人にかかれば、それもまた香港ノワール。

銃撃戦が特に熱い。「エグザイル」を彷彿とさせるような男の美学が描かれているようでもあった。最後の最後は、そんな感じで幕を閉じるのか。壊れた自転車を銃弾で転がす遊び心も痺れた。
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