このレビューはネタバレを含みます
【愛は時間と距離に抗えるか―――「ほしのこえ」】
新海誠のデビュー作
この時からすでに新海らしさはある。
大切な人に会えない悲しみ、喪失感
愛した女性が侵略者と戦うために徴兵され、宇宙へと行ってしまう。
二人の間には時間のずれが生じ、宇宙からの連絡が地球に届くのに何年もかかってしまう。当然二人の年齢差も広がっていく。
相手から連絡が来なくてそわそわしてしまうということは誰もが経験したことがあるであろう。それはインターネットが普及したことによるある種の代償のようなものである。離れていても意思疎通ができるが、それゆえに傷つくこともある。その現実を突きつけられた人々の共感を呼ぶような作品だと思った。