神秘キャメロンの原点へ
『ターミネーター』『エイリアン2』で世界を魅了させた後にキャメロンが世に放ったのは海底神秘もの。間違いなく『ターミネーター2』『タイタニック』『アバター』『アバター:WoW』の原型となっている本作はキャメロンを語る上で見逃せません。胸の内側に隠れていた冒険心が抜き出しになった力強い作品。
1980年代後半(日本公開は1990年)の時点でこの映像技術を扱えられていることがバケモノなのですが、このストーリーを考えたらキャメロンはもっとバケモノ。どうやら高校時代にキャメロンが書いた短編小説を原作としているらしく、生まれながらのSF帝王だったのかもしれません。
本作のジャンルはSFではありますが、割と中盤まで展開されているのは人間ドラマ。人間サイドの悪役がいて主人公サイドとの対立。この構図がもうキャメロン。映像の色合いやカメラの撮り方から捉えても『エイリアン2』色がプンプン漂ってきます。本作も子供の時に観ていたら絶対に殿堂入り果たしてたと思います。それぐらい子供心を鷲掴みにするキャメロン。
相変わらず本作にも「完全版」があるということなので、そっちを観ないことには本当の『アビス』は理解できないのかもしれません。実際のところ消化不十分の箇所があったのでそこを無事に完全版で補えたら傑作です。通常版でも全然面白いのでキャメロン好きはぜひ！！
