海大

アギーレ/神の怒りの海大のレビュー・感想・評価

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)
4.3
すげぇーーおもしろーー
初ヘルツォーク作品。

カメラが手持ちで、人物に近い位置から撮っててドキュメンタリーっぽい雰囲気。
その中でも大砲の爆発だとか、森の木に刺さってる帆船とかヤバい対象物は引きで捉える。
ラストのリスザルまみれのイカダに1人立つアギーレのカットはすごかった。
アギーレが望む理想の国はイガタの上でしか実現されなかった。

「逃亡を図る者は198片に切り刻み壁に塗る泥のように踏み潰してやる」
「1粒でも多く食う者 1滴でも多く飲む者は155年間牢に閉じ込める」
アギーレの絶対的な自信と執念。セリフが恐くておもしろい。

あとは作中で人が死ぬ時とても静かなのがおもしろい。
先住民の矢が静かに刺さる。
逃亡を図った兵士が斬られた首。

そして女性が美しい。
川の濁流と男臭い兵士たちの中に混ざってるために2人だけの女性の美しさが際立つ。
矢が刺さって倒れるアギーレの娘の顔、髪、ピアスが美しい。

動物。
馬、豚、ネズミ、リスザル。先住民の村で子供に乳を与える犬?のカットが一瞬あったのがすごく印象的だ。

地獄の黙示録のような先住民たちの未知の恐怖と、アギーレの絶対王政。
とてもおもしろかった。
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