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アレクサンドリアの映画好きのネタバレレビュー・内容・結末

アレクサンドリア(2009年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

実在した哲学者、天文学者ヒュパティア。
美しく聡明な彼女はひたすらに学問に勤しむ。
天体の軌道について、ついに謎を解明したその時に起こった悲劇。

キリスト教では神が地球を作ったと言う
揺るぎない確信があるのだから、天文学など異教の極みである、と。

私は八百万の神、日和見の無宗教なので
意見を言う資格も無いかもしれないが。
これだけが絶対神であり、他は間違っていると言う、真面目な信者くらい酷い存在はないのかも、と思う。どんな宗教でも。


友人に統一教会に入った人、エホバの会で活動している人などがいる。
私が彼らに言い渡したこと、「決して宗教の押し付けはしないで。した時点で友達にはなれない」ということ。
統一の方の友人は離れてしまったけれど
エホバの会の友人は、毎回冊子だけポストに入れにくる。(私がいいよ、と許可したので)
素晴らしいことがたくさん書いてあるし、私もこう言う善人にならなければなと思わせる。色々勉強になる。
友人自身も和の取れた、懐の深い人間だけれど、
ビッグバンなどは嘘である(神様が作った世界だから)、ダーウィンの進化論は信じない(当初から人は神に似せて作られたので、断じて猿では無い)などと笑顔で言われると怖くなる。ビッグバンも、進化論も真実かどうか不確かではあるけれど、
微塵の疑いもなく嘘であると言い切れる怖さ。

ヒュパティアが単に学問を探究し、事実を探る様子が、宗教上あり得ない、魔女だと罵られる世界。
本当に重い世界だった。
自身がよりよく生きていくために必要なのが宗教では無いのかな。

全く知識なくこの作品を観たので
ラストは衝撃だった。
後で調べたら、実際のヒュパティアは全裸にされ、牡蠣の殻で生きながら肉を剥ぎ取られたと、さらに陰惨な最期だったとか。
人間は、恐ろしい。
だから、神が必要なのに。
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