三樹夫

ジュラシック・パーク IIIの三樹夫のレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)
3.3
3作目で監督がスピルバーグから『ジュマンジ』の人に変更。サム・ニールがカムバックしジュラパシリーズはこれで完結。次の『ジュラシック・ワールド』まで大分間が空くことになる。

アランとエリーは別れたという世知辛い設定。エリーの家で子供と遊ぶ恐竜おじさんの哀しさはほろ苦い。半ば騙された形でまたもや恐竜島に行くことになるが、1作目は恐竜映画、2作目は怪獣映画ときて、この映画はとにかく新しい恐竜をバンバン出して有無を言わさず襲ってくるというモンスターパニックになっている。
しかし元が恐竜映画であることから襲い掛かってくる恐竜を次々倒してということはできずひたすら逃げ惑うのみというので、本編92分とシリーズ一番短くタイトだが観ていて若干飽きる。恐竜好きの人が観ているシリーズでもあるので恐竜倒してイエーイというテンションにはならないため、恐竜と遭遇したら逃げられるかどうかというサスペンスでやるしかない。2作目はトレーラーが落ちるかどうかというサスペンスを入れるなど単調にならないような作りだったが、それもやられてしまったので今作では恐竜から逃げるというサスペンスが続く。次々ビックリするシチュエーションに身を置かされて、特になすすべもなく何とかやり過ごすというので『ジュマンジ』っぽさがある。
家のシーンやレストランのシーンなど、日常的空間のシーンも比較的増えた為(前2作は恐竜生息地以外や日常的空間のシーンは化石発掘、地下鉄、ハモンドの屋敷などで恐竜島への移行が早い)、前2作を観ていると展開のゆったりさを感じてしまう。
この映画最大のノイズになっているのは登場人物の好感の持てなさだろう。行方不明になった息子の身を案じているというのを差し引いても、さすがに叫び過ぎ忠告を守らなさ過ぎのアマンダや、ラプトルの卵をパクるビリーなどあまりにも好感が持てなさ過ぎた。2か月サバイブしているエリックも恰好が小奇麗過ぎるし、人物の演出がもうちょっと何とかならんかったのかというのが正直なところ。

未登場恐竜を投入し次々襲ってくるというモンスターパニックの楽しさはある。スピノサウルスこえー。前2作を観てもっとガンガン恐竜に襲われる恐怖を求めていた人の期待に応えるかのようなモンスターパニックになっている。廃施設で恐竜に襲われるのは『ディノクライシス』を思い起こす。
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