もう、復活はないのかな ···
僕には中学生のときヴァン・ダムにぞっこんで、筋トレをしまくり、回し蹴りの練習をしまくったりした青臭い思い出があります。
ヴァン・ダムの映画は食い入るように見て、新作は逐一チェックをしてました。
そんなヴァン・ダム映画もノックオフ当たりからパンチが弱くなり、彼の人気も徐々に衰えを見せるようになりました。
大人の階段を上りつつあった僕も、あんな回し蹴りなんか出来るわけないんだと悟るようになりました。
こうして、悲しいことに徐々にヴァン・ダム映画から離れて行ってしまったのです。
でも、僕にとってのヒーローはヴァン・ダムなのに変わりはない。
スタローンやシュワちゃんじゃないんです。
ヴァン・ダムは最強なんです。
そんな、最強の男、ジャン=クロード・ヴァン・ダムがなんと本人役で主演すると聞いて、これは見ないわけにはいきません。
今まで、しばらく見てこなかった罪滅ぼし。
僕にとって久々のヴァン・ダム映画でした。
これ、多少のヴァン・ダム予備知識は必要ですが、映画として純粋に面白い。
まず、冒頭の長回しのシーンは圧巻です。
ヴァン・ダムがまだまだ現役であることを証明してるよう。
でも、このシーンのオチがね···
この辺りから自虐ネタが始まっていきます。
この映画、本人役の彼が郵便局強盗に巻き込まれる話なんですが、
何故だか逆に彼が強盗と間違われてしまうんです。
アイディアが素晴らしいと思います。
そして、この当時のヴァン・ダムだからこその適材適所感。
ちょっと、ミラクルな映画ですね。
さて、往年の彼ならば自慢の回し蹴りで犯人たちを一発KOしているはずなんですが、現実にはそうはいきません。このあたりとてもリアルです。
逆に犯人から回し蹴りを見せてくれと頼まれる始末。
しかも、今は落ち目のB級俳優。
仕事もなく、娘の養育権も奪われそうなダメっぷり。
自分の境遇を思わず嘆くシーンは涙ものです。
あれ、たぶん素でしょうね。
最後のシーンで見せるヴァン・ダムの表情が何だか斬新。
ふっきれたようなその演技に俳優としての新たな道を模索して欲しいと純粋に感じてしまいました。
でも、そんなに甘くないことは彼が一番よく知っているでしょう。