土平木艮

インファナル・アフェアIII 終極無間の土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…『1』の6ヶ月前〜10ヶ月後の期間の出来事を交錯させ描く手法…
潜入捜査官・ヤンの死後、色々と『始末』をつけ、警官として生きる『元・マフィアのスパイ』ラウ→心を病み始めてる様子。自分と同じ『スパイ』を探してる→マフィアのボス・サムや本土の闇商人・シェンと繋がりのある『保安部のヨン』を疑う→ヤンの主治医・リーの診察室を訪れるラウ。PCを盗み出し、ヤンのカルテを覗くうちにヤンの記録と自分の意識がオーバーラップし始める。鏡に映った自分の顔がヤンに見え始める始末→保安部に忍び込みカセットテープを盗み出す→テープを持って保安部に乗り込むラウと内務部。ヨンの前で『ラウ自身とサムの会話のテープ』を流す。一同呆然。ラウ、ヨンに向かって『ラウ、逮捕する』発言。既にヤンになってしまってる模様。そこにシェンも登場→ラウ、ヨンを射殺。実はヨンもシェンも警官でヤンとも旧知だった→ラウも撃たれ、『善人でありたい』と言い自殺を図る→一命を取り留めるも廃人状態。幻覚を見ながら『無間地獄』。




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前2作と同様、あらすじの書き起こしは非常に難しい。登場人物の名前もヤンとかヨンとか似てるし、書いてみた結果、分かりにくいし。



『1』『2』とは違った方向性の作品。

スパイ物としての魅力は健在。しかし、ラウの心理を描き、尚且つ時間を前後させた描写が多いので、ボーッと見てるとワケが分からなくてなる。
二度観ると『なるほど』と思うところは多い。

三作通しての繋がりは、『伏線回収』なのか『後出しジャンケン』なのか…やや『ビミョー』に見えてしまう。


本作の主人公はラウ。彼が精神を病んでいき、現実と妄想の区別がつかなくなっていく。
私の観た作品で例えるなら…『ブラックスワン』や『ファイトクラブ』みたいな感じ。


3作通してのラウの人生は、『マリー姐さんへの思慕の念から人を殺め、スパイになり、姐さんを殺す』ところから始まり、最後は『善人でありたいからと警官になろうとする』ところで終わる。全て自分の欲。
結局、『最も欲深かった』ラウが『無間地獄』に落ちた、ということ。



三部作を観た結論…
◉『1』だけでも充分楽しめる
◉でも『3』も違った味わいがあり複雑だけど面白いので、『3』をより楽しもうと思うなら『1』も『2』も観ておいた方が良い。
土平木艮

土平木艮