よーだ育休中

E.T.のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

E.T.(1982年製作の映画)
4.0
地球に取り残されてしまった異星人(E.T.)と、少年Elliott(Henry Thomas)との心の交流を描く。言わずと知れたSteven Spielberg監督の代表作。


シワシワで不格好な顔。ガラガラ声。
納屋に放り投げたボールが転がって帰ってきたり、木の間から長い指が覗いたり…。最初はしっかり日常に紛れ込んだ違和感が演出されている。それが最後には本当に愛くるしく見えるから不思議!見せ方が上手!

幼い女の子を見て悲鳴をあげたり、折り畳み傘に驚いてがたがた震えていたり…

ぬいぐるみに紛れてお母さんの目をやり過ごしたり、凄い勢いで言葉を習得したり。
カタコトの“Elliott”“be good”“phone home”とかめちゃくちゃ可愛かったり。

女装したり仮装したりチャリの前カゴにちょこんと乗ってたり。ビール呑んで酔っ払ってたり笑


地球人サイドから見てしまうとE.T.が未知の生き物だけど、E.T.から見たら地球そのものが未開の星である事がしっかり描かれているから、ここまで愛着が持てるのだろうか。

冒頭でLAの街明かりを眺めるシーンや、研究者のキーホルダーが印象的なシーン。人間の視点より低いアングルから映してE.T.の主観を見せていたのも感情移入しやすいポイントだったかも。古今東西、老若男女に愛されるキャラクターを創造したSpielbergはやっぱり凄い。


E.T.のパートナーであるElliottの心の成長・自立も素敵なテーマ。
お兄ちゃん達と遊びたくて駄々を捏ねる年相応の男の子が、持ち前の好奇心を発揮しE.T.に臆する事なく近づいていく。
E.T.に対して愛情と責任感が芽生え、故郷の星へ帰れるように手助けをする。

E.T.の"come"に対して"stay"と応え、しっかり自身のアイデンティティを確立させると同時に、相手の意思を尊重できる心の自立が垣間見える。


コミカルに描かれた全編から一転、不覚にもラストシーンはグッときてしまった。別れのシーンでのE.T.の台詞、"ouch"が滲みる。

指を切ってしまったElliottから"ouch"という言葉を覚え、ナイフが頭に刺さった仮装を心配して"ouch"。別れ際に自分の胸を指して"ouch"…。

"I'll be right here."っていつの間にそんな台詞と、人間の感覚を学んだのかって言うことは置いておこう。感動的なシーン。


妹ちゃんをDrew Barrymore(7歳)が演じていたという嬉しい衝撃。ころころしてる中にも面影があって可愛かった。天使でした。