16世紀にボリビア(アンデス社会)がコンキスタドール(スペインの征服者)に制服された過去の歴史を批判的に捉える映画の撮影のため、アンデスの山並みに囲まれたインディオ(先住民)の暮らす村にやって来た撮影隊。
撮影は順調に開始するものの、多数出演してもらう予定の村人たちの出演交渉が難航する。
当地で先住民と結婚し暮らしているフランス人女性キャサリン(ジェラルディン・チャップリン)らも調整しようとするが上手くいかず、髭のプロデューサー・ペドロや監督のロドリゴは、村のリーダー・ウバルディーノらに対して次第に高圧的な態度を強めていく。
一方、ペドロの弟で助監督のフェルナンドは、現地で教師をしているロシータに惹かれていくが、村の男は「白人には気をつけろ」と注意する。
村では、鳥の歌を授かるという祭りが近づいていて、村人はその準備に集中している。
その日は、鳥たちが新しい歌をさえずり、楽器を持った人々はその音をインスピレーションに新しいメロディを奏でるというのだ。
そんな中、空き時間に鳥を猟銃で撃ち落とす遊びをやらかすスタッフ。
鳥の死骸を発見した村人たちの怒りはピークに達し、スタッフが寝泊まりしている学校の周りに集まり、緊迫した事態に。。
スレた都会人(撮影隊)、プリミティブな先住民、その間に存在する人(コーディネーターやキャサリン)のすれ違い、ぶつかり合い。
コンキスタドール(征服者)の歴史を批判する作品を撮影しに来た彼らが、征服者と同様の偏見・差別意識を持っていることが顕になる。。
美しい山並み。鳥の歌を授かる祭り。
その素敵な風習が、スレた都会人(撮影隊)の対比となって沁みるラスト。
ロカルノ国際映画祭「質と刷新」賞受賞