Uえい

サンライズのUえいのレビュー・感想・評価

サンライズ(1927年製作の映画)
4.0
こちらも片岡一郎さんの活弁付きで視聴。映像の完成度が高くて活弁士泣かせとの事。確かに一から百まで伝わる映像の表現が凄すぎた。

ある田舎に住む男が、川を渡った先の都会に行って帰ってくるというシンプルな物語。

男は妻子がありながら、都会からやってきた女と不倫していた。女は地面師で、男の農場を狙っていたのだった。そして男に、妻を舟の上から落として事故死に見せかけ、農場を売って駆け落ちしようと持ちかけた。

男は妻を旅行に誘い、小舟で都会に向かう。しかし男は妻を殺せなかった。妻もただならぬ夫の殺気を感じ恐怖するが、都会での観光を楽しむ中で回復していった。男も反省し、妻への愛を再確認する。

そして小舟に乗って田舎に戻ろうとしたが、嵐に遭い、男は生き延びたが、妻が行方不明になってしまう。

映像表現が凄かった。まず、川のほとりで女が都会の楽しさを説明するシーンは画面上部だけに賑やかな都会の風景がオーバーラップしていて、一目で内容がわかる構図だった。また、街の中で夫婦二人だけの世界に入り込むシーンは、街を歩いていると思ったら背景が森に切り替わるという面白い表現方法だった。今だとなかなかこんな表現はし難いと思う。

そして、内容も愛の話で、万人が楽しめるいい作品だった。同じくムルナウの「都会の女」はこの作品の変奏的内容との事で気になった。
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