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逆噴射家族のumiのレビュー・感想・評価

逆噴射家族(1984年製作の映画)
3.1
作り手の熱意が映画の中に充満して大爆発していた。
何気なく見始めてしまったことを後悔。
もっとちゃんとした姿勢で臨まないといけない映画だった。

ベストヒットUSA の人ってくらいにしか認識していなかった小林克也さんの何と素晴らしいことよ。
声の素晴らしさ、佇まいの素晴らしさ、そして、困っているのか狂気なのか分からないあの目。怖い!(笑)

そしてなんと言っても倍賞さんの可愛らしいこと!!!!
チャーミング以外の何者でもないその存在感。
テレビっぽい芝居でも、舞台演劇の芝居でもなく
(それが悪いと言ってるのでなく、それぞれのキャラクターに非常に合っていて良かったのだが)
てんでバラバラの演技のアプローチに彼女だけが、演じるのではなく、そこに居て、反応して、それぞれのキャラクターが同じ空間にいる事を可能にさせていた。
映画を映画に成立させていた。

彼女だけが生身の人間として存在していて、それが本当に素敵だった。
こんなに素敵な女優さんだったなんて知らなかった。とにかく素晴らしい。

そしてサントラの
1984−新しい生活−レクイエム

https://m.youtube.com/watch?v=xeZsVqmqGQ8

音だけで映画の全てを表現してるんじゃないかと思えるほど秀逸。


2021年の日本で、作り手がこんなに熱気を帯びて制作している映画があるだろうか?
この時代だからできたのか?もうその時代は来ないのか?そう考えるとかなり寂しい。

体感としての評価は3.6くらいだけど、
今ではありえない諸々の差別表現や13歳の子に対しての性表現が受け入れ難く、ちょっと低く採点。
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