ギャングに反旗を翻した悪党二人の暴れっぷりが楽しい傑作、途中で相棒が怪我をするので「もしやニューシネマみたいな結末に?」と思ったがそこから全然違う明るいラストに着地するのが痛快。ざらついたフィルムの画質や緊張感のあるスコアが殺気だった物語をハードに彩って作品を盛り上げる。
主役のアウトローを演じるロバート・デュヴァルをはじめ、カレン・ブラック、ロバート・ライアン、リチャード・ジャッケル、ジョー・ドン・ベイカーといかにも70年代らしい顔ぶれの役者が揃っていて彼らを見ているだけでも楽しい。特に『突破口!』とは違う、ジョー・ドン・ベイカーの頼れる相棒っぷりは見物。
カレン・ブラックという恋人を連れていながら、ジョー・ドン・ベイカーと仲良く会話しているロバート・デュヴァルがちょっと同性愛っぽくてカレンが嫉妬するのも納得。そんな二人の関係性に入れず、途中で脱落してしまうカレンが不憫。
あとジョーが自分を狙いに来た殺し屋を言葉巧みにやり込め退散させたり、ホテルに無断駐車してボーイに嫌味を言われたり、ベイカーに拳銃を突きつけられた小悪党が「右側だけはやめて、右耳が悪いから」とぼやいたりするなど所々にあるユーモアがライトな作風の印象を強くさせる。
ラストでの主役の幸せそうな笑顔にほっこり。