ゆうか

サラエボの花のゆうかのレビュー・感想・評価

サラエボの花(2006年製作の映画)
2.0
<内容>
サラエボのナイトクラブで働くエスマは、12歳の娘サラが楽しみにする修学旅行費がなかなか工面できず、苦労していた。一方、父親は戦死したと聞かされて育ったサラは、戦死者の遺児は旅費が免除されると知り、父親の戦死証明書を学校へ提出するよう母に求めるが…。


<見どころ>
地元サラエボ出身の女性監督は、本作がデビュー作ながら、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争が残した深い爪痕を直視。閉塞的な社会状況や母子家庭の生活苦、思春期の少女の揺れる心情をリアルに描写している。


<受賞歴>
2006年ベルリン国際映画祭金熊賞、エキュメンカル賞、平和映画賞

とても重いテーマの映画だと思う。
戦争が終わったからといって、全てが元通りになるわけではない。
その被害を引きずりながら、隠れるように生きざるをえない人たち。この映画は、真実を背景にしているので、今も秘密を抱えて苦しんでいる人々がいる。
ただ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの紛争などについて、全く知識を持たないままの鑑賞なので、少し「?」となるところもしばしば。
「日本」という紛争などがない地域に住んでいるからかもしれないけれど、遠いことのように思えてしまう・・・。

頭では分かっていても、入りこめない・・・

でも、母親がずっと抱えていた秘密を娘に話してしまった後、それまでの鬱々とした雰囲気が払拭されていくラストに「希望」を感じた。

戦争の傷跡からでも、立ち上がって生きていく、、、という母娘の再生のお話。
ゆうか

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