若草

極道の妻(おんな)たち 決着(けじめ)の若草のレビュー・感想・評価

3.5
ついに姉さんの極妻ラスト。
2週間くらい前にたまたまテレビで見てから、私にしてはすごい勢いでここまで来た。

平成の安っぽさ薄っぺらさが強くなってきて、時代の移り変わりを感じる。
銀行の倒産や不景気で極道の世界も今までより深刻に。
あと携帯で話してるし…最初の頃なんか太い子機使ってたのに…
しかし時代が変わっても姐さんの美しさは全く変わりませんでした。素晴らしいです大好きです。

最後にしては極道のド派手さに欠けた。
50億という大きな話してるのにストーリー全体は小さかったな。
勧善懲悪っぽいところにもなんかこれじゃない感があった。
愛川欽也はすごくよかった。
これまでのシリーズに出てこなかったタイプの男。そしてシリーズ中、最も印象が良かった男かもしれない。
(それくらい他がしょうもなさすぎたともいえる)

あんまり面白くなかったけど、最後は岩下志麻とかたせ梨乃がきっちりけじめ付けてくれて、姐さんの「死ねぇ!!!」で気持ちよく終われた。
ブツブツ文句言ってても、最終的に姐さんが締めてくれたら満足できるのが極妻。
やっぱりそこまで思わせる岩下志麻の存在感がすべてだよ…。

エンドロールは1人で歩く姐さんの後ろ姿が多かったけど、最後だけはかたせ梨乃と2人で去っていくなんて、泣かせるじゃないか……製作陣やるじゃないか…ありがとう。
そして意外にも和田アキ子の歌がめちゃくちゃいい。
歌詞が画面にも世界観にも合っててグッと来た。
見終わってから検索して歌だけ聴いてる。和田アキ子の歌を自分から1曲ループで聴く日が来るとは思わなかった…
歌の効果もあって、ここまで見てきてよかったと思わせる粋なエンドロール。不思議な感動と爽快感すらあった。

タイトルの通り、一貫して「妻たち」の物語だったな。
そして設定や姐さんのキャラクター、周りの人物との関係性が1作も被ってないところは見事だなと。

志麻さんの本の中で「そろそろ終わりにした方がいいんじゃないか」と思っていたら東映の方でも10作で終わりという話になって終わったと書いてあったのが印象的。
作品の見極めも上手な人たちが作ってたことに納得した。

これで終わり!としたいところだけど、ここまで見たら、志麻さん主演以外の2作も見なきゃ終われないなという気持ちになっている、、
若草

若草