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点と線のmatsuomidnightのレビュー・感想・評価

点と線(1958年製作の映画)
3.7
松本清張の名作の映画化。何度もリメイクされていると思いきや、映画はこの1本だけらしい。(テレビでは何度もされているんでしょうけど)

病身の女性が時刻表マニアで想像上で旅をしているというのも若干苦しいし、実際病気をおしてあの不便な時代に九州まで行くのは考えにくいなあと。そして今なら駅前には必ずあるであろう監視カメラで一発解決!とか野暮な事は言いっこ無し。

しかしこの時代の映画はその人が登場するだけで悪者なのか、利用されているだけなのか、見た目で判断できる分かり易さ(笑)。山形勲の悪者オーラ半端なし。

また加藤嘉がなかなかカッコイイ壮年の地元刑事を演じていたり、花沢徳衛の古き佳き博多弁が完璧すぎるなど、いろいろと見どころも満載。当時の西鉄香椎駅が見られるなど(この映画の撮影時点では初詣のための臨時駅だった)ほかにも博多郷土史的にも貴重である。

ちなみに博多つながりで言えば、高峰三枝子の実父は筑前琵琶演奏宗家の高峰筑風。父が急逝したため一家を養うために芸能界入りしたそうである。
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