侍ゆう氏

見えない恐怖の侍ゆう氏のレビュー・感想・評価

見えない恐怖(1971年製作の映画)
4.2
忍び寄るブーツ

OPはウエストサイド物語を彷彿とさせる。てかそれにしか聴こえないw
始まりから低視点でのカメラワーク、ちょいちょい銃や戦争物のアイテムを映して、観る者に何かを伝えようとしている。☆のマークのブーツがキャプテンアメリカっぽいw

ある日の夜、1人の男が立ち止まっているとそこに車が通る、水たまりを走ったせいで男の自慢のブーツに泥が付いた、そんなひょんなことで男は怒りを覚える、そこ車は退院した盲目の女性サラを迎えに来ていたのだ。男はその車をストーカーし、一家に恐ろしいことをする…

サラは叔父一家の邸宅に着いた。久しぶりに恋人のスティーヴと乗馬を楽しんでいた。だが邸宅では男がおぞましい事をしていた…

「10番街の殺人」と今作をイギリスで製作した猟奇サスペンス映画。恥ずかしながら「10番街の殺人」はまだ観てないので後々レビューしようと思います。話を戻すと、フライシャーは色々なジャンルを自らのこだわりを貫き製作してきています。その代表といえば「ミクロの決死圏」です。自分の一番好きな映画です。

サスペンス映画では稀な屋外にまで追い込みかけるところ、盲目だからこそできる演出、常に低視点のカメラワーク、小道具の使い方、じらすような死体の置き方や見せ方、全て至極。サラを演じたミア・ファローは見事に演じきったね…圧巻だったなぁ。常に1点を見つめ、手探りをし、倒れたり登ったり歩いたり、と様々な盲目のアクションをしないといけない、本当に凄いと思う…

この映画の特徴は確実に低視点のカメラワークとちょいちょい見せるアイテムの2つ。小道具を使って犯人の顔を見せないカメラワークも素晴らしい。それを行うことにより犯人が「誰なんだ?」などの想像をさせ、常にサスペンスの雰囲気を醸し出してる。☆のマークのブーツ=犯人。というレッテルも貼り付ける効果を出している。
それがこの映画のクオリティを上げ、上質なサスペンスにしている。
「10番街の殺人」が楽しみで仕方ない…

耳をすまして、聞こえるよブーツの音が…
侍ゆう氏

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