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『アルトナ』に投稿された感想・評価

「自転車泥棒」(1948)「ひまわり」(1973)のヴィットリオ・デ・シーカ監督が哲学者サルトルの代表的な戯曲「アルトナの幽閉者」を映画化した知られざる傑作。戦時中、ナチスに協力して富豪となった一族の因縁ドラマを描く。アルトナとは映画の舞台となるドイツの都市(現ハンブルグの一部)。日本では1966年にATG配給で公開。

1959年ドイツ・アルトナ。造船企業社主(父親)は癌で余命半年の宣告を受け、次男とその妻で舞台女優のヨハンナ(ソフィア・ローレン)、末娘(妹)を集め家族会議を開く。次男夫妻に会社の後継を頼むのだが、実は戦時中にナチスと結託して大企業になったこと、邸宅は強制収容所跡に建てられたことを知り、ヨハンナは複雑な思いを巡らせる。夜、邸宅の階上から物音が聞こえたヨアンナは屋根裏に向かう。そこには隠された部屋があり、壁一面に描かれたゲルニカのような戦争画とヒトラーの写真のもとで妹がナチス軍服の男に食事を出していた。それは戦死したと聞かされていた長男フランツで、実は戦時中に発狂し13年間屋根裏に幽閉されていたのだった。。。

大傑作カルト映画だった。サルトルの原作をほぼ忠実にわかりやすく映画化していて、戦争と記憶、贖罪といった多層的なテーマを非情に面白い設定で描き出している。撮影美術もデ・シーカ監督のリアリズモとドイツ表現主義がミックスされた興味深いもので、そこに主演ソフィア・ローレンが立つことで何とも魅力的な映像を醸し出している。

発狂した長男のデティールも凄い。“戦争の罪のため虐殺されるドイツ人を、被告側証人として「蟹たち」と称する30世紀の裁判官に向かって弁護する”という妄想を抱えており、妹とは近親相姦の関係にある。この長男と、ヒトラーをテーマにした演劇に取り組み中の女優ヨアンナが共鳴していく物語も面白い。

本作は尋常ではない畳みかけで終幕していくが、原作にはエピローグがある。備忘録として粗筋を記しておく。

~残された妹レーニはフランツの部屋に閉じこもる。フランツが残した録音機から、無力な20世紀を弁護しようとする熱にうかされたフランツの演説が流れる。

個人的には映画でもここまで描いてほしかった。それを差し引いても本作には大きな魅力を感じた。秘密部屋の狂人芸術は「盲獣」(1969)、財閥の過去犯罪と死んだはずの後継者は「犬神家の一族」(原作1972)を連想する。本作からインスピレーションを得ているかもしれない。

※監督・主演に加えてスタッフの豪華さもカルト映画たる条件を満たしている
脚本は「自転車泥棒」をはじめデ・シーカ監督の初期作の殆どを手掛けたチェーザレ・ザヴァッティーニと「ニュルンベルク裁判」(1961)のアビー・マンによる共作
撮影は「靴みがき」(1946)「道」(1954)のロベルト・ジェラルディ
美術は戦後イタリアを代表する表現主義の画家レナート・グットゥーゾ。
音楽はニーノ・ロータ。挿入曲としてショスタコーヴィチの交響曲第11番第 3 楽章「永遠の記憶」が使用されている。

※デ・シーカ監督は翌年に引き続きソフィア・ローレンと組み「昨日・今日・明日」を撮る。