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灰とダイヤモンドの爽のレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.4
☆☆☆:一見の価値はアリ
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正直、ディテールはあまり拾えなかったからあまりちゃんと評価を付けられない。
第二次世界大戦のヨーロッパ戦争が終わったまさにその日のポーランドを舞台にしたドラマ映画。
独ソ不可侵条約に基づくポーランド侵攻、ドイツによる占領とロンドン亡命政権の樹立。
ワルシャワ蜂起とドイツ軍降伏、臨時政府という名のソ連による傀儡政権の樹立。
ポーランドは歴史的に紛れもない「悲劇の国」であり、政治的なカオスがこの映画にも溢れていた。
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アンジェイワイダの代表作ということ以外何も情報を仕入れず観に行ったから、序盤はキャラが置かれている立場の複雑さに頭が混線。
労働党局長...てことはソ連サイドか?でも表向きはポーランドの与党?
主人公は誰かに操られているのか、自分の意志でテロを仕掛けているのか...?
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幸い昔世界史を学んでいたから生粋のポーランド人(愛国者)がレジスタンスという大義への渇望と疲労の間にもがき苦しむ話なのは分かったけど、腑に落ちたのはかなり終盤だった。
有名らしいラストシーンはかなり印象的だったし、映画ならではのショットが終盤に集中していた。
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他の方のレビューを読んでいると主人公と局長の人物造形がとても巧みらしく、次に観るときはその辺ちゃんと拾えるようにしたい。
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